映画「壬生義士伝」に見る吉村と斎藤の生きざま

美しい盛岡南部の風景と人の心

激動の江戸末期、盛岡南部藩を脱藩して新選組に入隊した吉村貫一郎。

彼は練習試合の折、新選組の指南役であった朝倉と互角に渡り合った腕前を 隊長の近藤勇に認められて、

朝倉とともに指南役として抜擢された。

当時、ペリー提督がアメリカ大統領の親書を携え、黒船を浦賀沖に寄せ開国を迫った。

江戸では蜂の巣をつついたように大騒ぎだった。

鉄の船と大砲に度肝を抜かれたのだった。

科学技術を武器にして欧米の列強はアジアを、陣取り合戦のように分割していた。

日本はアヘン戦争でズタズタにされた中国のようにはなるまいと必死だった。

方法の違いはあっても、日本を強い国にして日本を守ろうとみんな思っていた。

その頃一番の権力者は井伊大老だった。将軍、幕府を抑え、公家を抑え安政の大獄まで発展していた。

新選組はその中で、幕府についたり公家についたり、思想的分裂を重ねて、

京都守護職松平容保(かたもり)の下で、近藤勇、土方歳三を中心として尊攘・討幕派を弾圧した。

吉村貫一郎(よしむらかんいちろう)も斉藤一(さいとうはじめ)も

新選組に籍を置きながら家族や愛するものを守るために刀を使って生きた。

激動の渦の中に巻き込まれながら、人間らしくもがいて生きたのだろう。

私たちは、多くの不運な血が流れたことを知って、また彼らの作った礎のもとに生きていることを理解しなければならない。

以下はアマゾンプライム映画解説の抜粋です。

愛する者のために涙を切り、人を切る――― 浅田次郎の同名時代小説を滝田洋二郎監督が手がけた時代劇大作。 幕末の世、新選組に入隊した盛岡・南部藩出身の吉村貫一郎の波乱の生涯を、悲痛なまでの家族愛とともに描く。

主人公・吉村貫一郎役の中井貴一、彼のライバル斉藤一役の佐藤浩市をはじめとするキャスト陣が好演。

監督 滝田洋二郎 主演 中井貴一, 三宅裕司, 夏川結衣