映画「岳」(ガク)に見るある救助活動

 

【美しい山に迫るときは、命の代償を払って!】

 

冬山は美しい
青と白と時々見える岩肌の黒、
雪を頂いた稜線が、青い空を突っ切る、
小さな人間はゴミくずのように見える。

ここは奥穂高岳、山頂に近い.

一人の男が足を滑らせ数十メートル転がる、
そしてクレパスにはまる。

底まで行かないで途中で引っかかる.
ここはマイナス25度、生きていられる時間は30分、
救助が来なければ、そのまま他界する、冷酷な自然.

彼は先ほどまで見ていた絶景とは裏腹に窮地に追い込まれた、
上を見上げると、白い氷の間に青空が見える.
俺の命もここでなくなるの?冗談じゃないよ、
後悔してもダメ、「さあ、命を払ってもらいましょう.」

俺はさっきまであの美しい山肌を登坂していた.幸福感に満ちて。

それが今はどうだ、
死を待ちながら凍える身体を引きつらせている.
今では、青い空が別世界のように見える、

 

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山って何だ?

歩いて
登って、
汗かいて、
にぎりめしを食う
飯もうまいが、空気もうまい。珈琲も、そして絶景の中。

 

けが人と死人を一緒にするな!
滑落ーーー死を意味する。
(この辺から山の怖さがニジミ出る)

山に捨てちゃいけないものがある。
それはーーー命。

死は思いがけなくやってくる、
ほんの気の緩みが死につながる.
想定外ーーーこんなことを思っても、もう遅い!
既に遅い、死まであと何秒だ?
自然とはこういうものだ!
美しい山の姿も、命と引き替え?
えー、やだー、命返して! といってもだれも答えない。

 

むごすぎる、
あなたは知っていましたか?
滑落して命を失い、その人が目の前にいたら、
救助隊はどのように処置するか?

もう命は消えているのだから、為す術がない、
物のように放り投げられる、
それが救助活動の知恵なのでしょう。きっと。

「久美ちゃん生きよう、お父さんに負けないように.」

 

 

原作  :石塚真一

監督  :片山修
出演  :小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之助
主題歌 :「あの太陽がこの世界を照らし続けるように」
作詞作曲:小渕健太郎
編曲  :コブクロ
製作  :東宝映画,

写真の出典はアマゾンプライムビデオ東宝映画より。